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改めて日本人の死に方と老衰死について調べて
2026-03-05
注目重要
日本人の死に方と老衰死について
『死にゆく定め』に刺激されて、改めて日本人の死に方と老衰死について調べて書きたいと考えました。
日本人の全死因死亡率は前年比で増加していて、1位のがん(悪性新生物)の死亡率は若干減少しました。
COVID-19(8位)、老衰(3位)、循環器疾患(2位)の死亡率増加が全死因死亡率増加の主な原因とされています。
日本人の全死因死亡率は前年比で増加していて、1位のがん(悪性新生物)の死亡率は若干減少しました。
COVID-19(8位)、老衰(3位)、循環器疾患(2位)の死亡率増加が全死因死亡率増加の主な原因とされています。
平均寿命と老衰死の年代別のグラフも掲げます。
戦後に至り、各種死亡要因への対処が進むに連れて、寿命も少しずつ延びていく様子が分かります。
歳を重ねるとともに避けられない要因が増加しているので、「悪性新生物」「心疾患」「肺炎」による死亡率増加が、医療技術の退化や環境悪化によるものではなく、高齢化とともに起きていることを、あらためて理解してほしいです。
老衰死に関して、「戦前も老衰による死亡率は高かった。これは直上のグラフなどからも分かる通り、そもそも論として平均寿命が短かったからに他ならない。「悪性新生物」や「心疾患」を発症し、直接起因として亡くなるより前に、老衰で亡くなってしまう人が多数いたということ。さらに当時の医療技術では具体的な病症の判断ができず、老衰とされた事例もあったものと思われる。昨今では再び上昇し、戦前の最高値すら超えてしまっている。これは急激な高齢化に伴うものである。今後「悪性新生物」などの治療法の開発が進めば、この値はさらに増加していくことだろう。」とされています。
引用:http://www.garbagenews.net/archives/1892740.html
主要死因別に見た死亡率(1899年以降版)(最新)2025/12/16
歳を重ねるとともに避けられない要因が増加しているので、「悪性新生物」「心疾患」「肺炎」による死亡率増加が、医療技術の退化や環境悪化によるものではなく、高齢化とともに起きていることを、あらためて理解してほしいです。
老衰死に関して、「戦前も老衰による死亡率は高かった。これは直上のグラフなどからも分かる通り、そもそも論として平均寿命が短かったからに他ならない。「悪性新生物」や「心疾患」を発症し、直接起因として亡くなるより前に、老衰で亡くなってしまう人が多数いたということ。さらに当時の医療技術では具体的な病症の判断ができず、老衰とされた事例もあったものと思われる。昨今では再び上昇し、戦前の最高値すら超えてしまっている。これは急激な高齢化に伴うものである。今後「悪性新生物」などの治療法の開発が進めば、この値はさらに増加していくことだろう。」とされています。
引用:http://www.garbagenews.net/archives/1892740.html
主要死因別に見た死亡率(1899年以降版)(最新)2025/12/16
下には男女に注目した平均寿命、老衰死に関するグラフも掲げます。
70代以前の老衰死はさすがに少ないのですが、男性のほうが女性より多いのが目を引きます。妻曰く「男の人は料理や掃除をしない、できない人がいるために、低栄養、非衛生に傾きやすい」とのことでした。栄養と衛生はやはり大切ですね。
日本は「老衰死」が特に多い。社会的には受け入れられても、死因統計としては問題がありうる。
■日本は「老衰死」が特に多い
注目すべき点として、日本は他の先進国と比較して、老衰死の割合が特に高い点があげられる。林他の分析によれば、日本では2020年に10.3%、2022年に12.1%と上昇しているのに対し、人類死因データベース(The Human Cause-of-Death Database)を使った60歳以上の死亡に対する老衰死の割合は、例えばアメリカでは0.2%(2018年)、ドイツでは0.3%(2016年)、フランスでは0.8%(2015年)、イングランド・ウェールズでは1.7%(2016年)と、日本と比べて大幅に低く、低下傾向を示す国が多い3、4。
注目すべき点として、日本は他の先進国と比較して、老衰死の割合が特に高い点があげられる。林他の分析によれば、日本では2020年に10.3%、2022年に12.1%と上昇しているのに対し、人類死因データベース(The Human Cause-of-Death Database)を使った60歳以上の死亡に対する老衰死の割合は、例えばアメリカでは0.2%(2018年)、ドイツでは0.3%(2016年)、フランスでは0.8%(2015年)、イングランド・ウェールズでは1.7%(2016年)と、日本と比べて大幅に低く、低下傾向を示す国が多い3、4。
(1)統計や制度の影響
この違いには、統計や制度の変化が影響している。戦後しばらくの間、日本では老衰死が多かった(図表1)。1950年に日本でWHOによる「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第6版(ICD6)」が導入された。この分類では、「老衰」が「症状・老衰および定義されていないもの」に分類され、診断名不明確な病態と捉えられることがあったため5、統計上は死因として記録されにくくなった。
その後、1995年のICD10適用時に、死亡診断書様式と診断書マニュアルが改訂され、老衰を死因として記載するのは、「高齢者で他に記載すべき明確な死亡原因がない自然死」といった記載が追加されたことで、再び増加してきたと考えられている4。
さらに、2000年に介護保険制度が始まり、在宅医療や介護施設での看取り体制が整備されたことも、病院以外での「自然な最期」を選ぶ環境を後押ししたと考えられる。在宅医療の現場では、本人や家族と話を通じて、自然な最期を選択するケースが増えている。加えて、病院に比べて積極的な治療が行われにくいという現実も、老衰死の増加に影響していると考えられる。
また、2017年には、日本呼吸器学会が「成人肺炎診療ガイドライン2017」を公表し、易反復性の誤嚥性肺炎や老衰の状態では、積極的治療よりもQOLを重視したケアを初めて推奨した。これにより、従来「肺炎」とされていた症例の一部が「老衰」として記載されるようになり、老衰死の統計的増加につながったとの分析もある6。
(2)社会的価値観の影響
社会的価値観の影響もあるようだ。上述のとおり、老衰は、診断名不明確な病態と捉えられるため、欧米では、日本と比べて、高齢者に対しても明確な診断が与えられ、本人の意思に基づいて治療方針を決定する傾向がある。その背景に、日本よりも古くから終末期ケアの制度やACP(アドバンス・ケア・プランニング7)が整っていたことが考えられる。
一方、日本では、「老衰による死」を「大往生」として肯定的に受け止める傾向がある。例えば、「老衰で亡くなること」に対しては、8割以上が「安らかな死である」と考えており、十分な医療を受けられていないといった印象は低い8。また、厚生労働省による「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査9」によれば、「どこで最期を迎えたいかを考える際に、重要だと思うこと」として、20歳以上の一般国民で最も多かったのが、「家族等の負担にならないこと」で7割を超えていた。異なる文化との厳密な比較はないようであるが10、家族に迷惑や負担をかけたくないといった思いは強い。国民医療費の議論においても、老衰死が多い地域では医療費が低い傾向があることが示されている11。終末期にある高齢者においては、生活の質を重視して過剰な検査を避けるといった考え方は日本では受け入れられていると考えられる。
■死因統計としては問題がありうる
ただし、総死亡者の1割以上が「老衰」という、詳細な死因を特定しない形で記録されている現状については、評価が分かれる。
死因統計は、医療や介護の質を評価し、政策の改善につなげるための資料となる。また、死因統計の精度や国際比較の妥当性といった視点では、死因が厳密に記録され、他の死因が隠れていないことが確認できることが望ましい。しかし、現在、老衰死の多くが「老衰」とだけ記載され、他の疾患や具体的な経過が記録されていないケースが少なくない4。死因が医師の考え方によるともなれば、統計的な精度に欠け、医療・介護の現場の実態を正確に把握することが難しくなる可能性がある。
本人と家族が希望する最期を守りながら、社会としてどのように死因を記録し、受け止めていくのかが、今後の検討課題だろう。
この違いには、統計や制度の変化が影響している。戦後しばらくの間、日本では老衰死が多かった(図表1)。1950年に日本でWHOによる「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第6版(ICD6)」が導入された。この分類では、「老衰」が「症状・老衰および定義されていないもの」に分類され、診断名不明確な病態と捉えられることがあったため5、統計上は死因として記録されにくくなった。
その後、1995年のICD10適用時に、死亡診断書様式と診断書マニュアルが改訂され、老衰を死因として記載するのは、「高齢者で他に記載すべき明確な死亡原因がない自然死」といった記載が追加されたことで、再び増加してきたと考えられている4。
さらに、2000年に介護保険制度が始まり、在宅医療や介護施設での看取り体制が整備されたことも、病院以外での「自然な最期」を選ぶ環境を後押ししたと考えられる。在宅医療の現場では、本人や家族と話を通じて、自然な最期を選択するケースが増えている。加えて、病院に比べて積極的な治療が行われにくいという現実も、老衰死の増加に影響していると考えられる。
また、2017年には、日本呼吸器学会が「成人肺炎診療ガイドライン2017」を公表し、易反復性の誤嚥性肺炎や老衰の状態では、積極的治療よりもQOLを重視したケアを初めて推奨した。これにより、従来「肺炎」とされていた症例の一部が「老衰」として記載されるようになり、老衰死の統計的増加につながったとの分析もある6。
(2)社会的価値観の影響
社会的価値観の影響もあるようだ。上述のとおり、老衰は、診断名不明確な病態と捉えられるため、欧米では、日本と比べて、高齢者に対しても明確な診断が与えられ、本人の意思に基づいて治療方針を決定する傾向がある。その背景に、日本よりも古くから終末期ケアの制度やACP(アドバンス・ケア・プランニング7)が整っていたことが考えられる。
一方、日本では、「老衰による死」を「大往生」として肯定的に受け止める傾向がある。例えば、「老衰で亡くなること」に対しては、8割以上が「安らかな死である」と考えており、十分な医療を受けられていないといった印象は低い8。また、厚生労働省による「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査9」によれば、「どこで最期を迎えたいかを考える際に、重要だと思うこと」として、20歳以上の一般国民で最も多かったのが、「家族等の負担にならないこと」で7割を超えていた。異なる文化との厳密な比較はないようであるが10、家族に迷惑や負担をかけたくないといった思いは強い。国民医療費の議論においても、老衰死が多い地域では医療費が低い傾向があることが示されている11。終末期にある高齢者においては、生活の質を重視して過剰な検査を避けるといった考え方は日本では受け入れられていると考えられる。
■死因統計としては問題がありうる
ただし、総死亡者の1割以上が「老衰」という、詳細な死因を特定しない形で記録されている現状については、評価が分かれる。
死因統計は、医療や介護の質を評価し、政策の改善につなげるための資料となる。また、死因統計の精度や国際比較の妥当性といった視点では、死因が厳密に記録され、他の死因が隠れていないことが確認できることが望ましい。しかし、現在、老衰死の多くが「老衰」とだけ記載され、他の疾患や具体的な経過が記録されていないケースが少なくない4。死因が医師の考え方によるともなれば、統計的な精度に欠け、医療・介護の現場の実態を正確に把握することが難しくなる可能性がある。
本人と家族が希望する最期を守りながら、社会としてどのように死因を記録し、受け止めていくのかが、今後の検討課題だろう。
文献
4 林玲子、別府志海、石井太、篠原恵美子「老衰死の統計分析」人口問題研究 78-1(2022年3月)
https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/22780101.pdf
5 実際日本でも、老衰で亡くなった方を検査しなおした結果、その多くで老衰ではない何らかの死因があったとされる(参考文献4「老衰死の統計分析」)。
6 日本経済新聞2019年6月11日「三大死因に初めて「老衰」死亡診断書の書き方変化?」
7 日本では「人生会議」等と言われ、もしものときのために終末期に望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組み。
8 日本経済新聞2025年7月5日「老衰死8人に1人…増える「大往生」 高齢化以外の要因も」
9 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」(2023年12月)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/saisyuiryo_a_r04.pdf
10 本村昌文「日本における老い・看取り・死をめぐる<迷惑>意識―異なる文化圏との比較に向けてー」文化看護学会誌
2024 年16(1) https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunkakango/16/1/16_1_63/_pdf/-char/ja
11 日本経済新聞2021年5月21日「大往生、医療費抑える モデルは神奈川・愛知・和歌山」等。
引用:日本における「老衰死」増加の背景 村松 容子
https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/22780101.pdf
5 実際日本でも、老衰で亡くなった方を検査しなおした結果、その多くで老衰ではない何らかの死因があったとされる(参考文献4「老衰死の統計分析」)。
6 日本経済新聞2019年6月11日「三大死因に初めて「老衰」死亡診断書の書き方変化?」
7 日本では「人生会議」等と言われ、もしものときのために終末期に望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組み。
8 日本経済新聞2025年7月5日「老衰死8人に1人…増える「大往生」 高齢化以外の要因も」
9 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」(2023年12月)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/saisyuiryo_a_r04.pdf
10 本村昌文「日本における老い・看取り・死をめぐる<迷惑>意識―異なる文化圏との比較に向けてー」文化看護学会誌
2024 年16(1) https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunkakango/16/1/16_1_63/_pdf/-char/ja
11 日本経済新聞2021年5月21日「大往生、医療費抑える モデルは神奈川・愛知・和歌山」等。
引用:日本における「老衰死」増加の背景 村松 容子





